ーIsahaya B HOUSEー
legacy of the Concrete block
Before → After
ーKey wordー
フルリノベーション
コンクリートブロック造
築40年以上
ーVisionー
建設業を営んでいたがお父様が自身で設計して立てられた家。ここに住まわれていたご夫婦は父から家を引き継ぐも、築40年以上のコンクリートブロック造。雨漏りが酷くあちこちに鍋を置いて生活を余儀無くされていました。思い入れのある家だからとリフォームを希望するも、あちこちの建設業者さんに匙をなげられてしまっていたお家でした。
雨漏りを止めることは当然として、通風、採光が悪く湿気が部屋にたまりがちだったため、思い切った間取り変更もしました。
どんな光を入れてどんな風が抜けるのか、コンクリートブロックに囲まれた空間でどのような暮らしを実現すべきか。
建築を通して亡きお父様の意志を垣間みながら少しづつプランを練った建築です。
ーNarrativeー
部屋の中の荷物を全て運び出し、始まったリノベーション工事。
建設業を営む私たちですらなかなかお目にかかることのないコンクリートブロック造のお家。
積み上げられたブロックの荒々しい表情に面食らいながら、
少しでもこの雰囲気を残せたらと葛藤の日々でもあります。
長年を建築をやっていると、仕上げが解体され、構造体があらわになった瞬間の力強さと儚さに心打たれることがあります。
決して意図してデザインできない質の空間を目にするたび、悔しさと喜びが訪れます。
建築とは往々にしてコンフリクトの連続でもあります。
絡み合った問題、相反する感情をうまく詩的に解けたとき。その時は必ずいい建築になります。
キッチンには作り付けの飾り棚をもうけました。
中には見せる人がいないから、こないからそういったものは要らないと言われることがあります。
もちろん、至極まっとうな意見であり否定はしません。しかし、ここでいう見る人は自分なのです。私が見るために飾るのです。これまで沢山の住宅を見てきましたが、ほとんどの方が、自分が見たいから感じたいからディスプレイを楽しんでました。
心の向くままに、ワタシを表現するワタシのためのスペースをほんのちょっとでもいいから作ってみませんか?
年中行事に合わせて棚の模様替えをすることがオススメです。
慌ただしい現代人にとっての心のオアシスを設えましょう。
こちらは、お祖母様か譲り受けた桐の箪笥です。
今ではなかなかお目にかかれない一品です。
時にあまりに良すぎる品物は新しい空間から浮いてしまい、マッチしない場合があります。
神棚もしかり、日本古来の物をいかにモダンな白い壁で受け入れてあげられるか作り手として腕が試される場面です。
ここでは、白い壁と茶色のフローリングの縁を白い巾木で繋いであげることで家具だけが浮いて見えることを防止しています。
再起は和モダンの流行もあいまって、古民家風に梁を見せたり、あえて自然素材を魅せるデザインをよく見かけます。
今はただスタイルとしての流行ですが、シムコノイエでは氣學的な解釈を元に、見てくれだけでない和モダンのその先のデザインを目指しています。